【関東財務局】ドゥラックアセットマネジメントの登録取消し|社員でない7人が100人に株の助言、暗号資産の苦情48件と検査忌避 自分の資産を守り損をしないための確認点

投資助言業者の登録取消し、社員でない7人が100人に助言 証券会社の処分
投資助言業者の行政処分登録取消し検査忌避関東財務局投資顧問契約

📅 令和8年(2026年)6月25日 | ⚖️ 関東財務局(勧告:証券取引等監視委員会) | 📂 金融商品取引法第52条第1項・第51条

投資助言業者のドゥラックアセットマネジメント株式会社(東京都港区、代表取締役 髙橋俊秀氏)が、関東財務局から金融商品取引業の登録を取り消されました。行政処分の中でも最も重い部類の処分です。

会社と雇用契約のない7人が約2年間、100人の顧客に株の助言をしていたこと。暗号資産の取引をめぐる苦情が48件寄せられていたこと。さらに検査では、営業員が資料の提出を拒み、データの削除まで求めていたこと。投資顧問と契約している人、家族が契約していそうな人に向けて、処分の中身と確認すべき点を整理します。

📄 関東財務局「ドゥラックアセットマネジメント株式会社に対する行政処分について」はこちら →

ドゥラックアセットマネジメントへの行政処分の概要|登録取消しと業務改善命令

処分のもとになったのは証券取引等監視委員会の検査です。監視委は2026年6月2日に行政処分を勧告し、関東財務局が6月25日に処分を出しました。

同社は2021年5月に金融商品取引業の登録を受けましたが、しばらくは取引実績がありませんでした。2024年1月に目黒営業所を新設して営業員を大幅に増やし、国内株式などの投資助言を始めたところから、問題が積み重なっていきます。

項目 内容
処分を受けた会社 ドゥラックアセットマネジメント株式会社(東京都港区、法人番号3010901023211)
代表者 代表取締役 髙橋 俊秀 氏
会社の規模 資本金5,000万円、常勤役職員29名(監視委の勧告資料より)
取り消された登録 関東財務局長(金商)第3251号(第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)
勧告・処分 勧告:2026年6月2日(証券取引等監視委員会)
処分:2026年6月25日(関東財務局)登録取消し・業務改善命令
根拠条文 金融商品取引法第52条第1項(登録取消し)、第51条(業務改善命令)

業務改善命令では、すべての顧客に処分の内容を説明し、いま結んでいる投資顧問契約を適切に終了させるよう命じられました。対応状況は2026年7月27日までに書面で報告することになっています。

問題①社員ではない7人が2年間、100人に株の助言

処分文で特に目を引くのが、目黒営業所の実態です。会社と雇用契約のない7人が、2024年2月から2026年2月までの間、見込み客に投資顧問契約を勧誘していました。契約した顧客計100人に、国内株式の買いの助言などを行っていたと認定されています。

7人は営業所の職員数の約2割にあたります。それなのに、髙橋代表を含む管理職は、財務局の検査官に指摘されるまでこの事実に気づいていなかったとしています。約2年間、誰が自社の名前で客に助言しているのかを把握していなかったことになります。

顧客から見れば、登録業者と契約したつもりで、実際には社員ではない人から助言を受けていたわけです。私自身、契約相手の「中の人」が誰なのかまで確かめたことはなかったので、考えさせられました。

問題②暗号資産取引をめぐる苦情が48件

金融庁などの窓口には、2024年2月から2026年1月までに、同社の暗号資産取引などの営業活動について延べ48件の苦情が寄せられていました。苦情の中身は、営業員が登録のない暗号資産交換業者を通じて顧客に暗号資産を取引させている、遠隔操作で顧客に口座を開設させている、といったものです。

⚠️ 会社は営業の実態をまったく把握していなかった

  • 営業所を統括すべき投資運用部長は、推奨銘柄のレポートを代表に渡すだけ。営業員がどう助言しているかを把握せず、助言記録の作成にも関与していなかった
  • コンプライアンス室長には、営業所の業務用端末のデータへのアクセス権がなく、助言記録を検証できなかった
  • 勧誘方法や苦情対応について、営業所から報告を受ける仕組みがなかった
  • 営業員への金商法の研修や、営業所の雇用状況の確認も一切していなかった

なお、処分文は苦情の内容そのものを事実として認定したわけではありません。ただ、これだけの苦情が続いているのに、営業現場へのけん制が「全く機能していない」と指摘されている点は重く受け止めるべきでしょう。

投資助言業者ドゥラックアセットマネジメントが登録を取り消された4つの理由(社員でない7人による助言、暗号資産をめぐる苦情48件、取締役会・内部監査の不全、検査忌避)を示す図解

問題③取締役会も内部監査も動いていなかった

経営の仕組みそのものも機能していませんでした。2023年4月以降、取締役会が開かれたのは本店移転を決めた1回だけです。営業所の新設や投資助言の開始という大きな決定のときにも、取締役会は開かれていません。

役員4人のうち2人は業務自体をしておらず、もう1人も経営管理にほとんど関与していなかったとされます。髙橋代表は、金融商品取引業の知識も経験もない人物に営業所の管理を一任していました。

01

取締役会

2023年4月以降、本店移転の決議で1回開いただけ

02

内部監査

年1回以上実施するとしながら、2022年1月以降一度も実施せず

03

財務

4期連続の赤字で大幅な債務超過。運転資金は代表からの借入に依存

04

法令違反

契約時に営業所の情報を顧客に提供しないなど、多数の違反が見過ごされた

関東財務局は、これらの根底に「髙橋代表をはじめとする当社役職員における法令等遵守意識の欠如」があると指摘しました。そのうえで、業務に必要な知識・経験をもつ人員と体制を備えていないとして、登録取消しの要件(金商法第29条の4第1項)に該当すると判断しています。

問題④検査で資料提出を拒み、データ削除まで要求

処分のもう一つの柱が「検査忌避」です。営業所への立ち入り検査で検査官が業務資料の提出を求めたところ、営業員らは反発し、一部を除いて正当な理由なく提出を拒みました。

「一旦提出に応じた電子データの削除を要求するなどし、検査の執行を著しく阻害した。」
——関東財務局「ドゥラックアセットマネジメント株式会社に対する行政処分について」より

これは金商法第56条の2第1項に基づく検査を妨げる行為で、法令違反にあたると認定されました。証券取引等監視委員会は、こうした違反には「厳正に対処してまいります」とのメッセージを出しています。後ろめたいことがなければ、資料を出せばよいだけです。検査を拒む会社とは、距離を置くのが賢明だと感じます。

損をしないために|契約中の人が確認したいこと

登録が取り消されたので、同社はもう投資助言業を続けられません。業務改善命令でも、契約を適切に終了させるよう求められています。契約している人は、会社からの説明や契約終了の連絡が届いているかを確認してください。

特に気をつけたいのは、投資の話をきっかけに暗号資産の取引へ誘われるケースです。親が「株の先生」と契約している、知らない取引所のアプリを入れている、といった様子があれば、家族で一度話をしておくと安心です。

投資顧問トラブルを防ぐため家族で確認したい4つのこと(登録業者の確認、勧誘者が社員か、暗号資産への誘導、10日以内のクーリング・オフ)と相談先を示す図解

✅ 知っておきたい権利と相談先

  • 投資顧問契約は、契約締結時の書面を受け取った日から10日以内なら書面でクーリング・オフできる(金融商品取引法第37条の6)
  • 業者が登録を受けているかは、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できる
  • 金融サービス全般の相談:金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811
  • 契約トラブル全般:消費者ホットライン 188
  • 詐欺の疑いがあるとき:警察相談専用電話 #9110

よくある質問(FAQ)

Q. ドゥラックアセットマネジメントの代表者は誰ですか?

A. 代表取締役は髙橋俊秀氏です。関東財務局の処分文では、法令等遵守意識の欠如について「髙橋代表をはじめとする」役職員にあると名指しで指摘されています。

Q. 登録取消しになると契約はどうなりますか?

A. 同社は投資助言業を続けられなくなります。業務改善命令で、すべての顧客への処分内容の説明と、投資顧問契約の適切な終了が命じられています。前払いした助言料の扱いなどは、まず同社に確認し、話がつかなければ相談窓口を利用してください。

Q. 「検査忌避」とは何ですか?

A. 金融当局の検査に対して、資料の提出を拒んだり、虚偽の回答をしたりして検査を妨げることです。今回は営業員が資料提出を拒み、提出済みのデータの削除を求めたことが、金商法の検査妨害にあたると認定されました。

Q. 投資助言業者を選ぶとき、何を確認すればいいですか?

A. まず金融庁の登録業者一覧で登録番号を確認します。勧誘してきた人が本当にその会社の社員か、暗号資産や海外の取引所など助言の範囲を超えた取引に誘導されていないかも確かめましょう。

📌 この処分のポイントまとめ

  • 関東財務局は2026年6月25日、ドゥラックアセットマネジメント(代表取締役 髙橋俊秀氏)の金融商品取引業の登録を取り消し、業務改善命令を出した。
  • 雇用契約のない7人が約2年間、顧客100人に国内株式の助言などを行っていたが、経営陣は検査官の指摘まで気づかなかった。
  • 暗号資産取引をめぐる苦情が48件寄せられていたが、会社は営業の実態を把握できていなかった。
  • 取締役会は事実上開かれず、内部監査は2022年以降一度も実施されていなかった。
  • 検査で資料提出を拒み、提出済みデータの削除を求めたことが検査忌避と認定された。

まとめ|「登録業者だから安心」とは限らない

今回の処分で怖いのは、金融庁に登録された会社の看板の下で、社員でもない人が客に助言していたことです。登録番号があっても、中身が伴っているとは限りません。しかも検査を拒むという姿勢からは、外から見えないところで何が起きていたのか、不安を覚えずにはいられません。

一方で、登録取消しという形で当局がはっきり線を引いたのは、投資家にとって安心材料でもあります。契約の前に登録を確認し、社員かどうかを確かめ、暗号資産や知らない取引所に誘われたら立ち止まる。家族の分も含めてこの3つを習慣にしておけば、大きな損は避けられるはずです。

金融機関への行政処分は、moomoo証券への業務停止命令や「マネードクター」のFPパートナーへの業務改善命令の記事でも解説しています。

出典・参考資料

【免責事項】本記事は、関東財務局・証券取引等監視委員会の公表資料をもとに、公開時点の情報で作成しています。苦情の内容は当局に寄せられたものとして紹介しており、事実として認定されたものではありません。個別の投資判断や法律上の判断を行うものではないため、具体的なご相談は専門家や相談窓口にお問い合わせください。

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