【消費者庁】布団乾燥機「FLEURISTE」に措置命令|「ダニが死滅する50度」は根拠なし、ステマ投稿も違反 購入者の返品・相談と家族で損しない見分け方

布団乾燥機の「ダニ死滅」広告に消費者庁が措置命令、ステマも違反と書かれたアイキャッチ画像 消費者被害・詐欺
措置命令景品表示法優良誤認ステマ布団乾燥機

📅 令和8年(2026年)10月20日公表 | ⚖️ 消費者庁 | 📂 景品表示法第7条第1項に基づく措置命令

「ダニが死滅する50度まで急速に熱し、乾燥させる」。そんな言葉で売られていた布団乾燥機「FLEURISTE(フルリスト)」について、消費者庁は販売元の株式会社giobaiに景品表示法違反の措置命令を出しました。

違反とされたのはダニ対策の効果をうたう表示と、依頼した投稿を「普通の口コミ」のように見せたステルスマーケティングの2点です。家族の寝具を守るつもりで買った家電の広告が、何を理由に違反とされたのかを整理します。

📄 消費者庁の公表資料(PDF)はこちら →

消費者庁が株式会社giobaiに措置命令、対象は布団乾燥機「FLEURISTE」

措置命令を受けたのは、東京都渋谷区に本社を置く株式会社giobai(ジオバイ)です。対象商品は布団乾燥機「FLEURISTE」で、専用のアロマカートリッジも含まれます。

問題になったのは、同社が自社ウェブサイトに載せていた表示です。消費者庁は令和8年10月20日、景品表示法に違反する表示が2種類あったとして、同法第7条第1項に基づく措置命令を行ったと公表しました。

項目 内容
事業者 株式会社giobai(東京都渋谷区)
代表者 代表取締役 宮下 宗
対象商品 布団乾燥機「FLEURISTE」(専用アロマカートリッジを含む)
表示媒体 自社ウェブサイト
違反① 優良誤認表示(第5条第1号)/令和6年7月11日〜12月16日の間
違反② ステルスマーケティング(第5条第3号・告示)/令和6年7月11日〜12月6日の間

表示期間はどちらも2024年の夏から冬にかけてです。ちょうど布団を干しにくい季節に向けて、検討した方もいたのではないでしょうか。

違反①「ダニが死滅する50度」は優良誤認表示、根拠資料が認められず

1つ目は、商品の効果を実際より良く見せる「優良誤認表示」です。同社のサイトは、布団の隅々まで温風が行き渡ってダニが死滅し、さらにアロマ成分でダニを遠ざけられるかのように表示していました。

「POINT01 ダニが死滅する50度まで 急速に熱し、乾燥させる」
——消費者庁公表資料に掲載された表示例より

決め手は「不実証広告規制」――根拠を出せなければ違反とみなされる

消費者庁は景品表示法第7条第2項に基づき、表示の裏付けとなる合理的な根拠の資料を出すよう求めました。同社は資料を提出しましたが、いずれも表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められなかったとされています。

この仕組みでは、消費者庁が「効果がない」と証明する必要はありません。事業者が根拠を示せなければ、その表示は不当表示とみなされます。広告で効果をうたう以上、その証明責任は売る側にある、ということです。

個人的に注目したいのは「隅々まで」「死滅」「忌避」という言葉の重なりです。1つひとつはありがちな宣伝文句でも、まとめて読めば「これ1台でダニ対策は完了」と受け取る人は多いはずです。

違反②Instagramの依頼投稿を「口コミ」として掲載、ステマ規制に違反

2つ目は、2023年10月から規制対象になったステルスマーケティングです。同社は第三者に対し、商品の無償提供や対価の支払いを条件にInstagramへの投稿を依頼していました。

そのうえで投稿の一部を抜き出し、自社サイトに掲載。ところが、依頼して書いてもらった投稿であることは明らかにしていませんでした。

「布団干すの やめました おしゃれで 家事ラク」
——消費者庁公表資料に掲載された表示例より

消費者庁は、これを事業者の表示であることを一般消費者が判別することが困難な表示と判断しました。実際の利用者の声に見えて、中身は会社がお金や商品を出して頼んだ宣伝だったわけです。

株式会社giobaiの布団乾燥機FLEURISTEの広告で違反とされた2点(ダニ死滅をうたう優良誤認表示と、Instagram依頼投稿を明示せず掲載したステルスマーケティング)と措置命令の内容を示す図解

措置命令の内容――周知・再発防止・同様の表示の禁止

措置命令で同社に求められたのは、次の4つです。

01

違反の周知

2つの表示が景品表示法に違反していたことを一般消費者に周知徹底する。

02

再発防止策

再発防止策を講じ、役員・従業員に周知徹底する。

03

同様の表示の禁止

合理的な根拠なく同様の効果表示をしない。ステマ表示も今後しない。

04

文書で報告

実施した内容を速やかに文書で消費者庁長官に報告する。

措置命令は、違反をやめさせ、消費者に事実を知らせるための行政処分です。今回の公表資料には、購入者への返金や課徴金についての記載はありません。購入者への返金が自動的に行われるわけではない点は押さえておきたいところです。

購入した人はどうすればいい?返品・取消しの権利と相談先

「うちも買ってしまった」という方のために、使える可能性のあるルールを整理します。どれが当てはまるかは購入時期や状況で変わるので、判断に迷ったら相談窓口を頼ってください。

ネット通販にクーリング・オフはない、ただし「8日以内の返品」がある

通信販売には、訪問販売のようなクーリング・オフ制度はありません。その代わり特定商取引法第15条の3により、返品特約の表示がなければ、商品を受け取った日から8日以内は返品できます(返送料は購入者負担が原則)。

返品特約がある場合は、その条件が優先します。購入から8日以上たっていることが多い今回のケースでは、まず販売元に問い合わせ、対応を確認するのが現実的です。

広告が事実と違えば、契約の取消しを主張できる余地も

消費者契約法では、重要な事項について事実と違うことを告げられて契約した場合、契約を取り消せることがあります(不実告知)。広告表示がこれに当たるかは個別の判断になりますが、あきらめる前に専門家へ相談する価値はあります。

⚠️ 相談する前に手元にそろえておきたいもの

  • 注文確認メール・領収書(購入日と金額がわかるもの)
  • 購入時の広告や商品ページの画面(残っていれば)
  • 返品条件が書かれたページの画面
  • 販売元とのやりとりの記録

相談先は、消費者ホットライン「188(いやや)」です。最寄りの消費生活センターにつながり、返品交渉の進め方などを一緒に考えてもらえます。

家族で損をしないために――効果表示と口コミの見分け方

布団乾燥機のように、子どもの寝具や親のベッドまわりに使う家電は「家族のために」と財布のひもが緩みがちです。自分も家族がいる立場なので、その気持ちはよくわかります。

だからこそ、買う前のひと手間が効きます。「死滅」「〇%」といった強い言葉には、どんな条件での結果なのかが書かれているかを確認する。口コミには「PR」「広告」の表示があるかを見る。この2つだけでも、広告との距離の取り方は変わります。

ネットで家電を買う前に確認する3点(効果の数字の条件、口コミのPR表示、返品特約)と、通信販売で商品到着から8日以内に返品できるルール、相談先188を示す図解

📌 この措置命令のポイントまとめ

  • 消費者庁は令和8年10月20日、株式会社giobaiの布団乾燥機「FLEURISTE」の広告に措置命令を出したと公表した。
  • ダニの死滅・忌避効果をうたう表示は、提出資料が合理的な根拠と認められず、優良誤認表示とみなされた。
  • 無償提供や対価を条件に依頼したInstagram投稿を、依頼と明かさずサイトに載せたことはステマ規制違反とされた。
  • 措置命令は周知・再発防止・同様表示の禁止・報告を求めるもので、返金は自動では行われない。
  • 購入者は返品条件の確認や消費生活センター(188)への相談で、取れる手段を確かめられる。

まとめ:効果の「証明」は売る側の責任

今回の措置命令が示したのは、効果をうたうなら根拠を用意しておくのが売る側の責任だ、という原則です。そしてその広告を後押しする「口コミ」が依頼投稿なら、そう明かさなければならない。どちらも消費者が商品を選ぶ前提を守るためのルールです。

一方で、買う側にできることもあります。強い言葉の裏付けを探す、PR表示を見る、返品条件を保存しておく。少しの手間ですが、家族のための出費で損をしないための、いちばん確実な備えだと感じます。

よくある質問(FAQ)

Q. 措置命令が出たということは、この商品にはダニ対策の効果がないのですか?

A. そこまでは言えません。今回は、事業者が提出した資料が表示の裏付けとして合理的な根拠と認められなかったため、法律上「不当表示とみなされた」ものです。効果がゼロだと消費者庁が判断したわけではありません。

Q. すでに購入した場合、返金してもらえますか?

A. 措置命令によって返金が自動的に行われるわけではありません。返品特約の内容を確認したうえで販売元に問い合わせ、難しい場合は消費者ホットライン「188」に相談してください。

Q. ステマの投稿をした人も処分されるのですか?

A. ステマ規制の対象は、広告を出す事業者です。依頼を受けて投稿したインフルエンサーなど第三者は、規制の対象になっていません。

Q. ネットで買った家電はクーリング・オフできますか?

A. 通信販売にはクーリング・オフ制度はありません。ただし返品特約の表示がなければ、商品を受け取ってから8日以内なら返品できます(返送料は原則として購入者負担)。

出典・参考資料

【免責事項】本記事は消費者庁の公表資料をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個別の事案に対する法的助言ではありません。返品・契約の取消し等については、消費生活センターや弁護士などの専門家にご相談ください。記事の内容は公開時点の情報に基づいています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました