【兵庫県2026年】換気扇訪問販売「鈴木利幸(ライジングサービス)」業務停止12か月|管理会社を装う手口・4つの被害事例・クーリングオフと返金の方法

管理会社を装う換気扇訪問販売業者に業務停止12か月(兵庫県の特定商取引法処分)を示すアイキャッチ画像 消費者被害・詐欺
訪問販売特商法業務停止クーリングオフ兵庫県

📅 令和8年(2026年)2月6日 | ⚖️ 兵庫県(兵庫県立消費生活総合センター) | 📂 特定商取引法に基づく業務停止命令・指示・業務禁止命令

「換気扇の掃除の方法を教えに来た」——新築ワンルームに引っ越したばかりの若者の部屋を訪れ、管理会社の関係者のように装って換気扇フィルターを売りつけていた大阪市の個人事業者・鈴木利幸(65)。

兵庫県は業務停止12か月と業務禁止12か月を命じました。しかもこの事業者は、大阪府からも2021年と2024年に業務停止を受けており、同じ手口での処分は少なくとも3回目です。

📄 兵庫県立消費生活総合センターの公表資料はこちら →

兵庫県は2026年2月6日、換気扇専用枠および換気扇フィルターの訪問販売を行っていた鈴木利幸(屋号:ライジングサービス、エースアーバンサービス、ウインベル)に対し、特定商取引に関する法律(特商法)に基づく業務停止命令(12か月)・指示・業務禁止命令(12か月)を発令しました。

被害者の大半は新築賃貸ワンルームマンションに入居したばかりの20代・30代の若者。「管理会社の関係者」と思わせる巧妙なトークで部屋に上がり込み、不要な換気扇フィルターを売りつけるという手口が繰り返されていました。

本記事では、行政処分の内容・違反行為の詳細・4つの具体的な被害事例・同種被害に遭わないための対策まで、公式資料をもとに徹底解説します。

  1. 処分対象事業者の概要
  2. 処分内容の詳細
    1. 業務停止命令(12か月)
    2. 指示処分
    3. 業務禁止命令(12か月)
  3. 行政処分の原因となった5つの違反行為
    1. ① 氏名等不明示勧誘(特商法第3条)
    2. ② 契約書面の記載不備(特商法第5条第2項)
    3. ③ 債務履行の遅延(特商法第7条第1項第1号)
    4. ④ 事実の不告知(特商法第7条第1項第2号)
    5. ⑤ 迷惑を覚えさせる方法による勧誘(特商法第7条第1項第5号)
  4. 4つの被害事例
    1. 【事例1】解約後も返金まで1か月以上かかったケース
    2. 【事例2】夜間に部屋に居座り、断れずに購入させられたケース
    3. 【事例3】管理会社だと信じたまま購入→後にクーリングオフするも返金なし
    4. 【事例4】翌日にメーカーへ問い合わせてフィルター不要と判明→返金まで約2か月
  5. 被害の全体像
  6. この手口の特徴と注意すべきポイント
  7. 被害に遭った場合・遭いそうな場合の対処法
    1. インターホンの段階で確認する
    2. 部屋に入れない
    3. クーリングオフを使う
    4. 消費者ホットライン「188」に相談する
  8. まとめ
  9. 同じ事業者への処分は3回目|大阪府でも2度の業務停止
  10. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 換気扇フィルターを訪問販売で買ってしまいました。返金してもらえますか?
    2. Q. 「管理会社の者です」と訪問されたらどうすればいいですか?
    3. Q. 返金を引き延ばされたらどこに相談すればいいですか?
  11. 出典・参考資料

処分対象事業者の概要

項目内容
事業者名鈴木 利幸(65歳)
所在地大阪市東成区中本1丁目5番24−1008号
取引形態訪問販売(特商法第2条第1項)
商品換気扇専用枠・換気扇フィルターの販売
主な営業対象新築賃貸ワンルームマンション入居者
使用屋号ライジングサービス → エースアーバンサービス → ウインベル(変遷順)
処分日令和8年(2026年)2月6日
処分機関兵庫県(兵庫県立消費生活総合センター)

処分内容の詳細

業務停止命令(12か月)

令和8年2月7日から12か月間、訪問販売に関する以下の業務を停止することが命じられました。

  • 訪問販売に係る売買契約の締結についての勧誘
  • 訪問販売に係る売買契約の申込みの受付
  • 訪問販売に係る売買契約の締結

指示処分

今回の違反行為の発生原因を調査・分析・検証し、再発防止策とコンプライアンス対策を講じること。また、その内容を報告することが命じられています。

業務禁止命令(12か月)

業務停止を命じられた範囲の業務を営む法人において、その業務を担当する役員となることが禁止されています。これにより、別法人を使った「看板の架け替え」による事業継続も防止されています。

行政処分の原因となった5つの違反行為

兵庫県が認定した違反行為は以下の5点です。

① 氏名等不明示勧誘(特商法第3条)

事業者は訪問の際、消費者に対して「換気扇の掃除と点検で部屋を回っています。」とだけ告げ、勧誘に先立って自分の氏名・名称、勧誘目的、取り扱う商品の種類を一切告知しませんでした。訪問販売では、勧誘前にこれらを明示することが法律で義務付けられています。

② 契約書面の記載不備(特商法第5条第2項)

消費者に交付した売買契約書面(ご契約の内容)に、商品の販売価格と契約締結年月日が判読できない状態でした。さらに、当日現金での支払いが完了しているにもかかわらず、支払金額の記載が欠落するという重大な不備がありました。

③ 債務履行の遅延(特商法第7条第1項第1号)

契約解除を申し出た消費者や、消費生活センターからの返金要求に対して「現金書留で送る」などと回答しながら、1か月以上・場合によっては3か月以上が経過しても返金しないという悪質な対応を繰り返しました。

④ 事実の不告知(特商法第7条第1項第2号)

管理会社の関係者ではないのに、それを告げずに「換気扇の掃除の方法を教えに来た。皆さんの部屋を回らせてもらっている。」とだけ伝えることで、消費者に管理会社の関係者が来たと誤認させ、その錯誤に乗じて契約を締結させました。判断に影響を及ぼす重要な事実を故意に告げなかった行為にあたります。

⑤ 迷惑を覚えさせる方法による勧誘(特商法第7条第1項第5号)

新築マンションに入居したばかりで管理会社関係者だと誤信している消費者の部屋に、夜間に訪問し、迷惑を覚えさせる方法で契約を迫りました。一人暮らしの女性宅に夜間に滞在し続けて断り切れない状況を作り出すという手口が複数の事例で確認されています。

4つの被害事例

46件の相談・苦情のうち、行政処分資料に記載された4つの具体的な事例を整理します。


【事例1】解約後も返金まで1か月以上かかったケース

被害者:消費者A(20代・一人暮らし) 時期:令和7年8月中旬

新築マンションに入居したばかりのAさん宅に、業者Zがインターホン越しに「換気扇の掃除の方法を教えに来た。皆さんの部屋を回らせてもらっている。」と告げて訪問。引越しの後片付け中でもあったが、管理会社の関係者だと思い部屋に通した。

部屋で換気扇の構造説明が始まり、鞄から換気扇フィルターが取り出されたところで初めて訪問販売だと気づいた。「みんなこんな貼り付け型フィルターを付けている」「市販品だとファンの奥まで汚れる」などと言われ、必要かと思い購入してしまった。

Zが帰った後に不審に感じて電話で解約を申し出たところ、「分かりました、返金は今度行くときにします」と口頭で承諾。しかし1週間待っても連絡がなく、「週末には行ける」「段取りが付かない」「もうちょっと待って」と引き延ばされ続け、消費生活センターと警察に相談してからようやく1か月以上後に返金された。


【事例2】夜間に部屋に居座り、断れずに購入させられたケース

被害者:消費者B(20代・女性の一人暮らし) 時期:令和7年9月初旬

夜間に突然訪問を受け、管理会社の関係者と思い部屋に通した。Zは換気扇カバーを外しながら「高性能だから油やほこりをよく吸うのですごく汚れる」「他の入居者も購入している」などと約15分にわたって説明し続け、買わないと帰る様子を見せなかった。

午後8時頃になり、一人暮らしの女性として早く帰ってほしいという心理から断り切れず、枠付き換気扇フィルター1枚と交換用フィルター24枚を現金で購入。支払い後に渡された売買契約書でZの名前を初めて知ったという状況だった。

帰宅後、夜間に販売目的を告げずに訪問し、管理会社と思わせる説明で部屋に入ったことへの強い憤りを感じていると相談記録に記されている。


【事例3】管理会社だと信じたまま購入→後にクーリングオフするも返金なし

被害者:消費者C(20代・女性の一人暮らし) 時期:令和7年8月初旬

夜間の訪問に対し管理会社の関係者と思い部屋に通した。Zは換気扇カバーを外して「フィルターを付けるだけで掃除も楽になる」と勧めてきた。Cさんはこの時点でもまだZが管理会社の関係者だと思っていたため、管理会社が勧めるなら必要だと思い購入した。

Zが帰った後にインターネットでZを検索したところ、過去にも同様の手口で業務停止命令などの処分を受けていたことが判明し、初めてZが管理会社の関係者ではなかったことを知った。

すぐにクーリングオフの通知を送り契約解除を申し出たが、Zからの連絡がないため電話すると「折り返します」という返事のみ。消費生活センターを経由して連絡を求めても同様の返答で、記事作成時点で未だに返金されていない。


【事例4】翌日にメーカーへ問い合わせてフィルター不要と判明→返金まで約2か月

被害者:消費者D(20代・会社員) 時期:令和7年5月下旬

仕事から帰宅したばかりのところに夜間の訪問を受けた。「換気扇の点検に来た」という言葉で管理会社だと思い部屋に通した。Zはバッグから換気扇フィルターを取り出し「高性能だから油やほこりをよく吸う、汚れると掃除が大変」と説明し始め、「フィルターを付けた方が良いのかも」という気持ちになり購入した。

翌日、換気扇メーカーに問い合わせたところ、フィルターは必要なく、逆に故障の原因になるおそれがあると説明され、クーリングオフ通知を送り消費生活センターにも相談した。しかし、返金されたのは約2か月後だった。


被害の全体像

兵庫県立消費生活総合センターの記録(令和7年12月31日現在)によると、この事業者への苦情・相談件数は累計46件に上ります。

年度屋号件数
R6年度ライジングサービス11件
R7年度エースアーバンサービス9件
R7年度ウインベル(※)26件
合計—46件

※ウインベルはR6・R7年度にまたがる可能性あり(資料記載順による)

被害者の年齢層は20代が39件(約85%)、30代が6件と、ほぼすべてが若年層です。新築マンションへの入居直後を狙い撃ちにする手口のため、「管理会社の関係者」という言葉への警戒心が低い入居初期に集中して被害が発生しています。

この手口の特徴と注意すべきポイント

この事件には、若者が狙われやすい典型的な訪問販売詐欺の特徴が凝縮されています。

ターゲットの絞り込みが巧妙: 新築マンション・ワンルーム・入居直後という条件を組み合わせることで、「管理会社の人が来てもおかしくない」という状況を最大限に利用しています。

断りにくい環境の作出: 一人暮らし・夜間・部屋の中という状況を意図的に作り出し、早く帰ってほしいという心理的プレッシャーを利用して契約を迫っています。

返金の引き延ばしが常態的: 事例1〜4のすべてで返金が遅延または未実施。これは偶発的なものではなく、返金しないことで消費者が諦めることを狙った組織的な手口と見られます。

被害に遭った場合・遭いそうな場合の対処法

インターホンの段階で確認する

「何の会社の方ですか?お名前は?」と必ず確認しましょう。管理会社を名乗る場合は、管理会社の電話番号に直接電話して確認してから対応するか、その場では応対しないことが最善です。

部屋に入れない

一度部屋の中に入れると、帰ってもらうことが困難になります。「今日は都合が悪い」と伝えてドアを開けないことが最も有効な対策です。

クーリングオフを使う

訪問販売で契約してしまった場合、契約書面を受け取った日を含めて8日以内であればクーリングオフ(無条件解除)が可能です。書面(はがきや内容証明郵便)でクーリングオフを通知しましょう。

消費者ホットライン「188」に相談する

返金に応じない、クーリングオフを拒否されるなどの場合は、消費者ホットライン188(いやや)に電話してください。最寄りの消費生活センターにつないでもらえます。

まとめ

📌 この処分のポイント

  • 兵庫県が特定商取引法違反として「鈴木利幸(ライジングサービス等)」に業務停止12か月・業務禁止12か月を命令
  • 「管理会社の関係者」を装い、新築マンション入居直後の20〜30代を標的にした訪問販売
  • 特商法違反は5点:氏名不明示・契約書面不備・返金遅延・事実不告知・夜間の迷惑勧誘
  • 被害相談件数は累計46件、被害者の約85%が20代
  • 屋号を「ライジングサービス→エースアーバンサービス→ウインベル」と変えながら活動を継続していた
  • 事業者が業務停止中でも、他の業者が同様の手口を使う可能性があるため引き続き注意が必要

新築マンションに引っ越したばかりの方や、若い一人暮らしの方がいる家庭は、ぜひこの記事を参考に注意してください。少しでも不審を感じたらドアを開けず、迷ったらすぐに188へ。

同じ事業者への処分は3回目|大阪府でも2度の業務停止

この事業者が行政処分を受けたのは初めてではありません。大阪府は2021年3月に業務停止3か月、さらに2024年12月6日には業務停止12か月(2024年12月7日〜2025年12月6日)を命じていました。

大阪府の処分でも、「掃除の説明」「点検」などと称して勧誘目的を告げずに訪問する、市販のフィルターは適さないと事実と異なる説明をする、といった同じ手口が認定されています。処分を受けても手口を変えずに営業を続けていたことになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 換気扇フィルターを訪問販売で買ってしまいました。返金してもらえますか?

A. 訪問販売は、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフで無条件に解約でき、代金は返金されます。書面に不備がある場合は8日を過ぎても解約できることがあります。

Q. 「管理会社の者です」と訪問されたらどうすればいいですか?

A. その場で部屋に入れず、名刺をもらって管理会社や大家に直接電話で確認してください。本当に管理会社の訪問なら、事前に案内があるのが普通です。

Q. 返金を引き延ばされたらどこに相談すればいいですか?

A. 消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります。本件でも、消費生活センターと警察への相談後に返金された事例があります。

出典・参考資料

【免責事項】本記事は兵庫県立消費生活総合センター発表の行政処分資料をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個別事案への対応については、消費生活センターや弁護士等の専門家にご相談ください。

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