📅 令和7年(2025年)12月9日(一審)/2026年4月21日(二審) | ⚖️ 大分地方裁判所/福岡高等裁判所 | 📂 殺人・銃刀法違反被告事件
2024年6月10日、大分県日田市の商業施設のイートインコーナーで、面識のない84歳の女性が背後から首を刺され、亡くなりました。その場で取り押さえられた白土正博被告は、法廷で「私はやっていません」と無罪を主張しました。
大分地裁は求刑どおり懲役22年を言い渡し、福岡高裁も「卑劣極まりない犯行」として控訴を棄却。その後、最高裁も上告を棄却し、懲役22年が確定することになりました。
事件の概要|昼前の商業施設で起きた通り魔事件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2024年(令和6年)6月10日 午前11時26分ごろ |
| 場所 | 大分県日田市の商業施設(イートインコーナー) |
| 被害者 | 84歳の女性(被告人と面識なし) |
| 凶器 | 自宅から持ち出した果物ナイフ(刃体約9.9cm) |
| 罪名 | 殺人、銃刀法違反 |
判決によると、被告人は自宅から果物ナイフを持ち出して商業施設に入り、イートインコーナーで一人で座っていた女性の背後から、首の右側を強い力で突き刺しました。
複数の客が犯行を目撃しており、被告人はその場で居合わせた人たちに取り押さえられ、現行犯逮捕されました。
判決の流れ|一審・二審とも懲役22年、最高裁で確定へ
2025年12月9日 第一審・大分地裁(裁判員裁判)
⚖️ 懲役22年(求刑どおり)
被告人の無罪主張を退け、完全責任能力を認定しました。
2026年4月21日 控訴審・福岡高裁
⚖️ 控訴棄却——懲役22年を維持
一審判決は「論理則、経験則に照らし不合理でない」と判断しました。
2026年 最高裁
📂 上告棄却
懲役22年の判決が確定することになりました。
争点①犯人性|「やっていない」はなぜ退けられたのか
被告人は「記憶がない」「私はやっていません」として、犯行そのものを否定しました。しかし裁判所は、次の証拠から被告人が犯人であることは明らかだと判断しています。
01
DNA鑑定
被告人の手とナイフから、被害者のDNAが検出されました。
02
指紋
ナイフの鞘から、被告人の指紋が見つかりました。
03
防犯カメラと目撃証言
施設内の映像に写った行動と、至近距離で見ていた複数の目撃者の証言が一致しました。
争点②責任能力|パーソナリティ障害の影響は「低い」
弁護側は、仮に犯人だとしても精神疾患の影響で責任を問えないと主張しました。被告人には妄想性パーソナリティ障害があったと認められています。
しかし裁判所は、ナイフを準備して持ち出すなど計画性があり、幻覚や妄想に支配されていた様子もないことから、障害が犯行に与えた影響は低いと判断しました。犯行の背景には、経済的に困窮して自暴自棄になっていた事情があったと指摘しています。
⚠️ 責任能力が認められたポイント
- 自宅から果物ナイフを持ち出しており、計画性がある
- 幻覚や妄想に支配されて行動した様子はない
- 犯行後に自分を守るような行動も取っている
- 障害の影響は低く、完全責任能力があった
量刑の理由|無関係の高齢者を狙った「卑劣極まりない犯行」
一審は、面識のない高齢者を背後から狙い、首という急所を強い力で刺した犯行を「残忍なもの」と評価しました。人が集まる商業施設での犯行で、地域社会に与えた不安も大きいと判断しています。
——福岡高裁 岡部豪裁判長(TOSテレビ大分の報道より)
前科がない点は考慮されたものの、否認を続けて反省の態度が見られないことなどから、求刑どおりの懲役22年が相当とされました。
家族が巻き込まれないために|通り魔に遭遇したときの行動
買い物に出かけた先で、突然命を奪われる。被害に遭われた女性とご家族の無念を思うと、言葉がありません。自分の親が一人で買い物に出かける姿と重ねてしまう方も多いと思います。
通り魔事件は防ぎようがない面もありますが、もしもの時の行動を家族で確認しておくことはできます。
01
まず距離をとる
異変に気づいたら、刃物を持つ人物から離れ、近くの店舗や物陰に逃げ込みます。
02
大声で周囲に知らせる
「逃げて」「刃物を持っている」と声を出し、周囲に危険を伝えます。
03
安全な場所から110番
身の安全を確保してから、場所・人数・特徴を通報します。
📌 この判決のポイントまとめ
- 2024年6月10日、大分県日田市の商業施設で、面識のない84歳の女性が果物ナイフで刺殺された。
- 被告人は無罪を主張したが、DNA・指紋・防犯カメラ・目撃証言から犯人と認定された。
- 妄想性パーソナリティ障害の影響は低いとして、完全責任能力が認められた。
- 大分地裁は懲役22年、福岡高裁も控訴を棄却し、最高裁が上告を棄却して刑が確定することになった。
まとめ|否認と責任能力の主張を退けた判決
この裁判では、被告人が犯行を否定し、さらに精神障害による責任能力も争われました。裁判所は客観的な証拠を積み重ねて犯人性を認め、障害の影響も限定的だと判断しています。
無関係の高齢者が狙われた事件に、一審から最高裁まで一貫して厳しい判断が示されました。日常の場所で起きた理不尽な事件として、地域に残した傷は大きいと感じます。
よくある質問(FAQ)
Q. 判決は確定しましたか?
A. 一審・大分地裁が懲役22年、二審・福岡高裁も控訴を棄却し、その後最高裁が上告を棄却したことで、懲役22年が確定することになったと報じられています。
Q. 精神障害があっても刑罰を受けるのですか?
A. 精神障害があっても、犯行への影響の程度によって判断されます。本件では影響は低く、完全責任能力があったと認定されました。
Q. 通り魔に遭遇したらどうすればいいですか?
A. まず刃物を持つ人物から離れ、安全な場所に逃げてから110番通報してください。周囲に大声で危険を知らせることも大切です。
出典・参考資料
- 【速報】商業施設刺殺事件 被告の男に懲役22年の実刑判決 被告は起訴内容を全面否認 大分地裁(TOSテレビ大分、2025年12月9日)
- 「卑劣極まりない犯行で酌むべき事情ない」二審も懲役22年 商業施設刺殺事件 弁護側の控訴棄却(TOSテレビ大分、2026年4月21日)
- 日田の商業施設で女性殺害 控訴審も懲役22年 福岡高裁が棄却(OAB大分朝日放送)
- 商業施設で女性(84)の首を刺し殺害 最高裁が男(58)の上告を棄却し懲役22年が確定(OBS大分放送/Yahoo!ニュース)
【免責事項】本記事は、判決および報道等の公開情報をもとに、事件と裁判の内容を一般向けに解説したものです。記事中の事実関係は裁判所の認定や報道の範囲によるもので、判決が確定していない事件については、有罪が確定するまで被告人は無罪と推定されます。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご相談ください。



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