【秋田地裁判決】元秋田県警教養課長に懲役2年・執行猶予3年|女性へのストーカーと虚偽の火災通報で消防43人出動

元秋田県警課長のストーカーと虚偽通報事件の有罪判決を示すアイキャッチ画像 刑事事件
警察官の不祥事秋田地裁ストーカー規制法偽計業務妨害執行猶予

📅 令和7年(2025年)10月23日 | ⚖️ 秋田地方裁判所刑事部 | 📂 令和7年(わ)第51号 ストーカー規制法違反、偽計業務妨害被告事件

秋田県警本部で教養課長を務めていた幹部警察官・伊藤幸広被告(60)が、交際関係にあった女性につきまといを繰り返し、さらに「女性の住むマンションが火事だ」とうその119番通報をしていました。

虚偽の通報で消防・救急の隊員43人が出動。秋田地裁は、法令を守るべき幹部警察官の立場を重く見つつ、反省や被害者との賠償合意を考慮して懲役2年・執行猶予3年を言い渡しました。

📄 秋田地裁判決全文(PDF)はこちら →

事件の概要|警告を受けた後も続いたストーカー行為

判決によると、伊藤被告は不倫関係にあった女性(元同僚の女性警察官と報じられています)が関係の解消を望んでいるにもかかわらず、2024年5月から9月にかけて、つきまといを繰り返しました。

時期 行為 回数
2024年5月21日〜22日 面会や関係の修復を求めるメールを約15時間にわたり連続送信 11回
2024年6月4日〜9月16日 女性の住まいなど5か所での押しかけ・見張り・うろつき 9回
2024年8月11日 秋田市内の公衆電話から「火災発生」とうその119番通報 3回

見過ごせないのは、県警本部内で「処罰の対象になる」という警告文書を受け取った後も、行為をやめなかった点です。

虚偽の119番通報|消防・救急43人が出動

2024年8月11日の夜、伊藤被告は公衆電話から3回にわたり119番に電話し、女性の住むマンションで火災が起きているとうその通報をしました。

「通報内容が事実であれば多くの住民を急いで避難させる必要があるため、消防本部としては急遽40名以上の消防隊員や救急隊員を出動させ、その正常な業務が現に大きく阻害された」
——秋田地裁判決より

本当の火災や救急の要請があったとき、出動できる隊員が足りなかったかもしれません。個人的な感情から、地域の安全全体を危険にさらした行為です。

判決|幹部警察官の立場は「責任を加重」

2025年8月 初公判

📂 起訴内容を認める

伊藤被告は、ストーカー規制法違反と偽計業務妨害の起訴内容を認めました。

2025年9月 論告求刑

📂 検察が懲役2年を求刑

検察は、幹部警察官による悪質な犯行だとして懲役2年を求めました。

2025年10月23日 秋田地裁判決

⚖️ 懲役2年・執行猶予3年

罰金刑は相当でないとしつつ、執行猶予を付けました。

「被告人は幹部警察官として法令を遵守し社会の秩序を守るべき立場にあったから、一般人に比べて責任がある程度加重される」
——秋田地裁判決より
悪質とされた点 有利に考慮された点
長期間・多数回のつきまとい
警告後も継続
大規模な消防出動を招いた虚偽通報
幹部警察官という立場
起訴内容をすべて認め反省している
被害女性との間で賠償の合意が成立
警察の権限を直接悪用したわけではない

結果として、執行猶予付きの懲役刑となりました。治安を守る側の幹部がストーカー加害者になったという事実は重く、警察組織への信頼を大きく損ねた事件です。

ストーカー被害から自分と家族を守るには

ストーカー行為は、相手が警告を受けても止まらないことがあります。この事件でも、警告の後に行為がエスカレートしていました。家族が被害に遭っている場合も含め、早めの相談が大切です。

01

証拠を残す

メール・着信履歴・押しかけの日時をすべて記録し、保存しておきます。

02

警察に相談する

ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令を求めることができます。緊急時は110番。

03

一人にならない

家族や職場と情報を共有し、帰宅時の同行など安全対策を取ります。

⚠️ 相手が警察関係者でもためらわない

  • 加害者が身内や組織の関係者でも、被害の相談は可能
  • 所属とは別の警察署や、警察相談専用電話「#9110」も利用できる
  • 弁護士に相談し、接近禁止などの法的手段を検討する方法もある

📌 この判決のポイントまとめ

  • 秋田地裁は2025年10月23日、元秋田県警教養課長の伊藤幸広被告に懲役2年・執行猶予3年を言い渡した。
  • 2024年5〜9月、交際していた女性にメール11回・押しかけや見張り9回のつきまといを繰り返した。
  • 県警本部で警告文書を受け取った後も行為を続け、8月には虚偽の火災通報で消防・救急43人を出動させた。
  • 幹部警察官の立場は責任を重くする事情とされたが、反省と賠償合意から執行猶予が付いた。

まとめ|守る側の人間が起こした事件の重さ

本来ストーカー被害の相談を受ける側の幹部警察官が、自らストーカー行為に及び、さらに虚偽通報で消防まで巻き込んだ。執行猶予が付いたとはいえ、その立場ゆえの責任の重さを裁判所ははっきり指摘しました。

被害に遭った側からすれば、相手が組織の内部にいることで相談しにくさもあったはずです。どんな相手であっても、被害を一人で抱え込まずに相談できる窓口があることを、知っておいてほしいと思います。

よくある質問(FAQ)

Q. 伊藤幸広被告の判決は?

A. 2025年10月23日、秋田地裁で懲役2年・執行猶予3年の判決が言い渡されました(求刑は懲役2年)。

Q. 虚偽の119番通報はどんな罪になりますか?

A. 本件では、消防の業務を妨げたとして偽計業務妨害罪が成立しました。

Q. ストーカー被害に遭ったらどこに相談すればいいですか?

A. 最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」に相談できます。身の危険を感じたら迷わず110番してください。

出典・参考資料

【免責事項】本記事は、判決および報道等の公開情報をもとに、事件と裁判の内容を一般向けに解説したものです。記事中の事実関係は裁判所の認定や報道の範囲によるもので、判決が確定していない事件については、有罪が確定するまで被告人は無罪と推定されます。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご相談ください。

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