【福岡高裁判決】工藤会元ナンバー3・菊地敬吾被告に二審も無期懲役|市民襲撃6事件、ナンバー2の「証言変更」は信用されず

工藤会元ナンバー3の菊地敬吾被告に二審も無期懲役が言い渡されたことを示すアイキャッチ画像 刑事事件
組織犯罪工藤会福岡高裁無期懲役市民襲撃事件

📅 令和7年(2025年)1月23日 | ⚖️ 福岡高等裁判所(市川太志裁判長) | 📂 工藤会元理事長による市民襲撃6事件の控訴審

特定危険指定暴力団・工藤会で、総裁・野村悟被告、会長・田上不美夫被告に次ぐ「ナンバー3」だった元理事長の菊地敬吾被告。2012年から2014年に北九州市などで市民が襲われた6事件に関わったとして起訴されました。

福岡高裁は一審・福岡地裁の無期懲役を支持し、控訴を棄却。控訴審では田上被告が証言を大きく変えましたが、高裁はその証言を「信用性に乏しい」と退けました。

📺 控訴審判決の報道(TNCテレビ西日本)を読む →

事件の概要|2012〜2014年に相次いだ市民襲撃6事件

菊地被告が問われたのは、組織犯罪処罰法違反などの罪です。対象は、福岡県警の元警部が銃撃された事件、看護師の女性や歯科医師の男性が刃物で襲われた事件、暴力団排除の標章を掲げた飲食店の女性経営者が顔を切り付けられた事件など、合わせて6事件にのぼります。

どの事件も、被害者は暴力団と無関係な市民や元警察官でした。暴力団排除の機運が高まる中、地域全体に恐怖を与えた一連の事件です。

判決の流れ|一審・二審とも無期懲役、最高裁へ

2023年1月26日 第一審・福岡地裁

⚖️ 無期懲役(求刑どおり)

野村総裁から田上会長を経て菊地被告に至る指揮命令系統を推認。組織の凶行に「原動力」と「推進力」を与えたと認定しました。

2025年1月23日 控訴審・福岡高裁

⚖️ 控訴棄却——無期懲役を維持

控訴審で田上被告が証言を変えましたが、高裁は「信用性に乏しい」として一審の判断を支持しました。

2025年2月5日 上告

📂 菊地被告が最高裁に上告

判決はまだ確定していません。

一審・福岡地裁の判断|「上位者の意向を無視して強行するとは考えがたい」

一審の福岡地裁(伊藤寛樹裁判長)は、直接の指示を示す証拠が乏しいなかで、組織の構造から菊地被告の関与を認めました。

組員らが「上位者の意向を無視して強行を繰り返すとは想像し難い」
——福岡地裁判決(TNCテレビ西日本の報道より)

そのうえで、菊地被告が組織の犯行に「原動力」と「推進力」を与えたと認定し、法が許容する上限近くの刑として無期懲役を選びました。

控訴審の焦点|ナンバー2・田上被告の「証言変更」

控訴審で大きな動きがありました。それまで無罪を主張していた田上被告が、看護師の女性と歯科医師の男性が襲われた事件について、「菊地被告に犯行を指示した」と証言内容を変えたのです。

一審の段階では関与そのものを否定していた上位者が、控訴審になって指示を認めたことになります。しかし福岡高裁はこの証言を「信用性に乏しい」と判断し、一審の判断を支持しました。

⚠️ 控訴審で退けられたポイント

  • 控訴審での田上被告の新たな証言は「信用性に乏しい」とされた
  • 一審が認定した組織の指揮命令系統と、菊地被告の役割の評価は維持された
  • 結論として、無期懲役という量刑も相当と判断された

裁判の途中で組織の上位者が証言を大きく変える。その意図は判決からはわかりませんが、裁判所が証言の中身を冷静に吟味したことは、この判決の重要な点だと感じます。

工藤会の上位3人の判決|いずれも無期懲役以上

立場 被告人 主な判決
総裁(ナンバー1) 野村悟被告 一審・死刑(2021年)→二審・無期懲役(2024年)、上告中
会長(ナンバー2) 田上不美夫被告 一審・二審とも無期懲役、上告中
理事長(ナンバー3) 菊地敬吾被告 一審・二審とも無期懲役(2023年・2025年)、上告中

組織の上位3人がいずれも無期懲役以上の判決を受けたことになります。県警による「頂上作戦」が、司法の場でも重い結果につながっている形です。

暴力団の不当要求から家族と仕事を守るには

この事件では、暴力団排除の標章を掲げた店の経営者まで狙われました。商売をしている人にとって、決して他人事ではありません。

01

一人で抱え込まない

不当な要求には即答せず、家族や従業員と情報を共有して、複数人で対応します。

02

記録を残す

日時・相手・やり取りの内容をメモし、可能なら録音しておきます。

03

専門窓口に相談

警察(緊急は110番、相談は#9110)や、都道府県の暴力追放運動推進センターに相談できます。

📌 この判決のポイントまとめ

  • 福岡高裁は2025年1月23日、工藤会元ナンバー3・菊地敬吾被告の控訴を棄却し、無期懲役を維持した。
  • 菊地被告は、元警部銃撃や看護師・歯科医師の刺傷など、2012〜2014年の市民襲撃6事件で起訴された。
  • 控訴審でナンバー2の田上被告が「菊地被告に指示した」と証言を変えたが、高裁は「信用性に乏しい」と退けた。
  • 菊地被告は2025年2月5日に上告しており、判決は確定していない。

まとめ|組織の上位者を問う裁判は最高裁へ

菊地被告の裁判は、組織の中間に立つ幹部の責任を、指揮命令系統の推認からどこまで問えるかが問われた事件でした。一審・二審は、その責任を重く認めています。

野村被告・田上被告とあわせ、工藤会の上位3人の裁判はいずれも最高裁に移りました。市民が狙われた一連の事件に、司法が最終的にどう決着をつけるのかを見届けたいと思います。

よくある質問(FAQ)

Q. 菊地敬吾被告の刑は確定していますか?

A. 確定していません。2025年2月5日に最高裁に上告したと報じられています。

Q. 「6事件」にはどんな事件が含まれますか?

A. 報道では、福岡県警元警部銃撃事件、看護師刺傷事件、歯科医師刺傷事件、暴力団排除標章を掲げた飲食店の女性経営者が切り付けられた事件などが挙げられています。

Q. 暴力団から不当な要求を受けたらどこに相談すればいいですか?

A. 緊急時は110番、急がない相談は警察相談専用電話「#9110」へ。各都道府県の暴力追放運動推進センターでも相談を受け付けています。

出典・参考資料

【免責事項】本記事は、判決および報道等の公開情報をもとに、事件と裁判の内容を一般向けに解説したものです。記事中の事実関係は裁判所の認定や報道の範囲によるもので、判決が確定していない事件については、有罪が確定するまで被告人は無罪と推定されます。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご相談ください。

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